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発行:

一般財団法人 言語交流研究所 ヒッポファミリークラブ

東京都渋谷区渋谷2-2-10 青山H&Aビル 3F
公式サイト https://www.lexhippo.gr.jp/

会報誌「まいにち多言語」はヒッポファミリークラブ会員向けに編集・発行しています。活動やイベントについてのお問い合わせは一般財団法人 言語交流研究所・ヒッポファミリークラブへお願いいたします。

01

Let’s Enjoy S多重P!!

私がヒッポに出会ったのは今から2年半ぐらい前。最初はスピーカーを3台用意して、中のSDを日々変えていました。当時1年生の娘はすぐにラササヤンを歌いながら弟と一緒に踊ったり、台湾語で「花粉症べコニ〜」、トルコ語で「水曜ドラマ〜」、中国語は「ピョン次郎」など、聞こえてくる音を捉えていました。そのうち、「シロメボジャー=実験」「ソウセンニン=マイストラ=先生」など意味も見つけるように。突然ソノコの電話の場面を韓国語で歌い出したり。

イタリアYLへ行くメンバーの応援をしたくて、プレミアムセットにグレードアップしました。全部聞かないのはもったいないと、SDカード1枚にスピーカー1台と数を増やし、家の中のスピーカーが20台に。キッチンでは前に3台、後ろに3台挟まれて、ザワザワしている音も気にならないし、逆にその音の世界が楽しい。するとことばにまったく興味がなかった私でも、トルコ語の「ナッスルスルン」のように語尾が上がる音が耳に残ったり、「江別」のような空耳が楽しかったり。韓国語は物語をそのまま歌えたり。キッチンでブツブツ言っているらしく、よく子どもに「ママ、何か言った?」と聞かれます。

また、娘は小学校での日中オンライン交流のクラス代表に手を挙げました。実は恥ずかしがり屋の娘ですが、中国語は知っている音という自信が立候補に繋がったのだと思います。「通訳の人の中国語に聞いたことがある単語がたくさんあったんだよ〜」「最後には中国と日本の旗を持って“再見”って手をふるんだ〜」と嬉しそうに話してくれました。ファミリーでは走り回り担当の弟にも、仕事が忙しいナンピョン(夫)の中にも着々と音は溜まってきているのを感じます。

日々たくさんの多言語のシャワーを浴びて楽しく歌いながら、いつか参加できるであろう交流を夢みています。クロンカジャー交流!

(K. H.さん/東京都・ケセラセラF)

入会以来34年、頑なにリビングで1台だけ流していた我が家。「今あるスピーカー+2台」を合言葉に地域で「どんなスピーカーがいい?」ワイワイスピーカ談義が飛び交い始めた。つられて我が家も絶えず複数の音源をまとめて3~4台ずつに。あちこちで音が鳴って、ざわざわ賑やかになった。

この感覚って…、そうだ!2019年の夏、子どもたちと行って来た太湖大学堂の食堂だ!交流中は毛穴まで全部全開。その土地のにおい、空気、音、景色全てを吸収している。子どもたちはこうやっていつも身体全体で吸収しているんだ!1台の音源に慣れていた間に、体がだんだん閉じてそれに慣れっこになっていたのかも?!

複数同時に音源がかかり始めたら、体の中の水分が波打って五線をいろいろな音楽が重なり合いながら身体全体を流れているような感じで、心楽しく、脳が喜んでいるのだ。なんだろうこの高揚感は!もう楽しくて、気づけばスピーカーは27台に!実験は留まるところを知らない。

(K. M.さん・フェロウ/長野県・オットケF)

02-1

第8回 多言語雪の学校

02-2

新人フェロウ

“フェロウを1年やってみて”

自分の家の近くにはファミリーがなかったからフェロウをやることに。でも気持ちとは裏腹に、2歳から小5まで4人の子どもを連れてファミリーに参加するにも一苦労。スピーカー、音源、マイクにオムツ、とにかく忘れ物だらけ。毎回てんやわんやでファミリーしてきたけれど、それがまぁとっても楽しかったのです!!

体験の方も来てくれた時のこと。他のファミリーのメンバーの小中学生が参加してくれた。遠くから車で来てくれただけでも感動なのに、さらに驚くことが!いつもは控え目な彼らが、スピーカーもマイクも使えない私の代わりに、体験の方につきっきりでSADAの説明をしてくれる。しかも私よりはるかにうまい!この時から私の中で自分を『できない』と思っていた気持ちが、みんなの力で『できる』に変わってくる!いや、むしろ自分が『できない』からこそ、もっと面白いことが起こる!それがファミリーの場?!

もう一つの大きな喜び。「こんな素敵な人たちとできるの??」と思えるようなメンバーとの出会い。メンバーは自分がフォローする人ではなく、自分を育ててもらえる人だと気づきました。メンバーはファミリーをますます楽しくしてくれる存在。もっと仲間と出会って、ファミリーをいっぱい作って、ヒッポの楽しさを存分に味わえる地域にしよ〜!

(K. K.さん・フェロウ/千葉県・ゆるりとまいるかF)

02-3

フレッシュメンバー

“3週間お試し体験からメンバーに!”

小2の娘がもらってきたチラシ“7ヵ国語で話そう!”に娘も私もロックオン!早速体験をすることに。試聴CDを聞きながら、週3のLINEメタ活、週1のファミリーそして全国のオンラインの会への参加と3週間活動しました。子どもはスポンジ脳、すぐに娘は大波で試聴CDを歌うように。そしてメンバーが「すごいすごい」と褒めてくれるので、ファミリーに行くことをとても楽しみに。

実は私は、これで本当に話せるようになるの?と疑問を持っていたのですが、でも、スイスに住む私の親戚は5ヵ国語を話します。彼女の周りには、鹿児島弁のお父さん、フランス人のお母さん、ブリティッシュのボーイフレンドそしてイタリア語やドイツ語を話すお友だち…。そうまさにヒッポの環境と同じです。

7か月経った今、コロナ禍が幸いしてオンラインがとても充実しているので、鹿児島にいながらタイミングのあう時間にいろいろなヒッポに参加することができます。娘はストーリーが頭に入っていて、何語が流れても自分の描いている映像と音をシンクロして理解しているよう。コロナが落ち着いたら、韓国、ロシアに留学したい!と娘。私は大好きなクラシックバレエの本場、ロシアに行きたい。そうすると、いつも聞いているCDからロシア語がひっかかる!おもしろい!

(F. M.さん/鹿児島県・ちぇすとF)

03-1

初めてのオンライン交流

冬家族交流・台湾

ハンディキャップのある娘と2人で楽しむヒッポ。交流に行けるのはいつのことかと待ちわびていましたが、年末年始のオンライン交流でそれが実現しました。私の台湾のホストは、私の家族と少し似たような状況を抱えた30代半ばの 5人家族のママStella。私を選んでくれたことに涙がこぼれました。交流中はオンラインでつながり続けることが難しく、ラインや動画を駆使…。台湾の人はラインが好きですぐに返信が来ると聞いていましたが、Stellaはそうではなく、家族のお世話に奮闘している姿が思い浮かび、加油、加油の気持ちで返信を待っていました。

そんな中、こちらから色鬼の動画を送ってみたら、子どもたちと色鬼で遊ぶ動画で送ってくれたり、ライン通話でアルバムの写真を見せてくれたり…。忙しい日常の中を何とかやりくりしてくれた貴重な時間だと思えました。そして1月2日の朝には、所属のファミリーのみんなが新春ファミリーも開催してくれました。

お別れ会では娘さんのAngelinaが英語の歌を歌ってくれて、感想タイムでは何枚もの紙に日本語で感想を書いてくれていました。いつの間にそんな準備をしていたのだろうと胸が熱くなりました。台湾の家族の温かさを感じる交流でした。

(Y. H.さん・フェロウ/福島県・会津たげほーF)

春青少年交流・ベトナム

この4日間のベトナム交流はすごく充実して楽しくて、なんだか自信がつきました。最初は緊張したけど、高校生のキリンも僕もK-POPが大好き。対面式で一緒にダンスしてすぐに仲良くなれました。早く話したいと思いました。

一番楽しかったのは一緒に買い物に行ったこと。ベトナム料理もたくさん紹介してくれて、一緒にベトナム料理を食べました。そして読書が好きなキリンと一緒に本屋さんに行って、小説を見せあったり、日本の桜と菜の花も見てもらって、うちのすぐ後ろの海も紹介しました。

キリンはすごく優しくて何事にも本音を言ってくれました。ベトナムは日本よりも自由なのかなと思いました。日本と違う文化が多くて知りたいことがたくさんあったのでこれからキリンに聞いて調べていきます。キリンは6月に留学で福岡に来るので会いたいと思っています。

(T. S.さん・中1/宮崎県・やっちょんなF)

03-2

地域の話題

日系パラグアイ人の私とニャンドゥティ

私は日本でパラグアイの伝統レース「ニャンドゥティ」を教えています。

パラグアイの公用語はグアラニー語とスペイン語です。家の中では日本語、労働者とはグアラニー語。小学校に入った時は先生の話すスペイン語がわかりませんでした。

ニャンドゥティはカナリア諸島のテネリーフ刺繍から、パラグアイ独自のレース編みに進化したといわれます。この色合いは蜘蛛の巣の色だといいます。おばあちゃんは「蜘蛛は糸から糸へぴょんぴょん飛びながら巣を作るんだよ、それがニャンドゥティだよ」と話してくれました。おばあちゃんたちはスペイン語はあまり話せないので、私がグアラニー語で話した瞬間にパッと心を開いてくださいます。

本も2冊出し、日本ニャンドゥティ協会も立ち上げました。私にとってのパラグアイ文化の良いところは、だれでも受入れてくれ、やさしくて明るい国民性や、自然とともにゆっくり平和なくらしを愛することです。ニャンドゥティを通じて、パラグアイのよさ、私たちパラグアイ人の価値観を多くの人に知って欲しいと思います。Muchas Gracias Aguiye

(I. E.さん/東京都・ボンボンF)

地域でミシガン州立大学とオンライン交流

きっかけは2年前、日本で多文化に興味がある人たちと友だちになりたいと、実家がある日野市でヒッポに入ってくれたアメリカ・ミシガン州在住のメンバー。彼女の教えているミシガン州立大学の日本語クラス学生とヒッポメンバーとのバーチャルHome visitの提案がありました。学生67名に対しあっという間に集まった地域のメンバーは総勢67家族。月1回ずつ、3か月間の交流が実現しました。

オンラインはお互いの部屋から参加するので、背景に映るものが個性を表していたり、趣味も見えたり。また、ミシガンにいると思っていた学生さんが「ここは上海です。オンラインなので実家に戻りました」とか、「アフリカ生まれで今はシンガポールに住んでます。僕はとても暑い所にしか住んでません」とか。また、こちらは朝なのにあちらの窓の外は暗くなっていく、リアルな時差を感じたり。

専攻は皆それぞれで、将来なりたい仕事も違う。そんな学生たちを応援したくなるし、日本に来たらまた会いたいと心から思うのです。「日本には漫画がありますね。温泉がありますね。僕はどちらも大好きです」。そんな事を言われると、今まで素通りだった温泉待合室の漫画コーナーも誇らしく思う私。改めて日本の環境の良さや普段の行事に目を向け、考える時間にもなったステキな交流でした。

(W. K.さん・フェロウ/東京都・カイロスF)

04 05

ボクの♥ワタシのマナイマ~な毎日

投稿コーナー:

絵:N. O.さん・6歳

皆さんからの「マナイマ~な毎日」のネタをお待ちしています!
投稿はこちらまで↓(誌面の都合で掲載できない場合があります)
mainichi.tagengo@gmail.com
①本名(ニックネーム) ②お住いの都道府県
③ファミリーネーム ④所属フェロウのお名前
⑤お子さん&学生の場合は学年も!

私は10歳の頃からひっぽ育ち。母はフェロウもやっていました。今は7歳の双子と2才の三男と一緒にヒッポを楽しんでいます。フルタイムでの仕事をしながらやっと参加できたファミリーでも、子どもたちが乗り気じゃなかったりマイクをやらないとがっかり。でも静岡合宿で子どもたちのことを忘れてはじけて楽しんでみて気付けました。まずは自分が楽しむこと!私の母も自分が一番に楽しむ人でした。私に対して「あなたはあなたで楽しいこと見つけてね」っていうスタンスだったし、「マルタゴシッポ」ってどういう意味?って聞いても「自分で見つけるんだよ!」って絶対教えてくれなかった。このワクワクを胸に、自分のファミリーを作りたいと只今準備中です!(O. H.さん/静岡県・やうやう沼津F)


ファミリー名をタイトルにしてみんなでポテマナソングを作りました。曲作りも演奏も歌も全部ファミリーメンバーで行って、動画になりました!(M. A.さん・フェロウ/愛知県・iポテトF&マナイマ〜一宮F)

作詞・歌・演奏:ポテマナメンバー
作曲・編集:ティシュウ

歌&メイキング映像
https://youtu.be/h8DBkc8_7SU

私たち週に3回深夜23時に集まっています。何をコソコソやっているかというと…輪読!ありのままの姿でズームで繋がって、「冒険シリーズ」や「部分と全体」の世界にどっぷりと。みんなが口を揃えて言うことは「一人じゃ絶対にこんなにたくさんの本読めんかった〜!」。みんなで読むと、分かんないけど分っちゃうって感じです。(N. S.さん・フェロウ/福岡県・ファンタスティコF)


2019年にヒッポに参加して初めて、地域の輪を超えて小学3年生の次男と雪の学校に参加しました。何をやるのか全く知りませんでしたが、宿ごとにやることを参加者が自由に決める、各個人の意見が尊重される学校でした。子どもたちの本気のSADAには心底驚き!子どもが主役!大人は口を出す必要はなく、一緒に楽しめばいいんだと分かりました。子どもになり切ろう!みんなと一緒に遊ぼう!やりたいと言ったことが全て通る!やったもん勝ち!そんな経験を通して、ヒッポは自分の子どもたちに楽しんでもらいたいものだったが、自分が楽しまなきゃ損だという意識に変わりました。そして、自分が体験したことをファミリーで話す、分かち合う、それがヒッポなんだということも分かって、考え方が180度変わった雪学でした。(M. T.さん/東京都・ハウオリF)


ヒッポのメンバー同士で結婚したカップルのオンライン結婚パーティをしました。新郎は、5歳から大阪でヒッポを始め、今は新宿で活動しているケーキ。新婦は、単身社会人で品川で活動しているエリーナ。お二人に馴染みのあるたくさんのフェロウズとメンバーで企画しました。ピアノ演奏、ダンス、馴れ初めなど質問タイム…。みんなのお祝いの気持ちが爆発してました。長く続けられるから二人の歴史にたくさんの人がいる!そんな温かい人たちの想いが凝縮した2時間のパーティでした。(S. A.さん・フェロウ/東京都・マナイマ~F)

新しいアメリカ4Hクラブとのペンパルプログラムに、小4の息子がチャレンジ。親の私の方がワクワク!英文でのやりとりに対する本人との温度差に、「誰がペンパルの相手なんだ」とモヤモヤ。でも、レゴの写真を送り合うことで距離を縮めていきました。子どもはこうやって共通の遊びを通して仲良くなるんだな。

(M. K.さん/神奈川県・ウリウリF)


わたしは2人とやりとりをしていて、2人とも日本に4Hクラブがあると思っていたから、ソノコの手紙のヒッポのしょうかいをリメイクしてヒッポのことを教えてみました。届いたメールをプリントして入れるファイルもつくりました。
(K. M.さん・小4/神奈川県・あんシャンテF)


日中春節オンライン交流に、娘が最年少の小3でチャレンジ。20歳のReinaと、毎日2人だけでがんばって、日本語と中国語でお絵描きしりとりをしました。
(S. S.さん・フェロウ/愛知 県・フロイデF&ナチュールF)

大好きカバジン
~兄弟スペシャル~

O. A.さん 小1
O. K.さん 4歳
茨城県・トッキワコブキF


K. K.さん 小5
K. M.さん 小1
東京都・三鷹カンタービレF

Quiz おえかきメタ活!何の場面かな?

N. M.さん・高1/神奈川県・コンテントF

M. Y.さん・中3/広島県・テキーラF

小ネタdeまいたげ

zoomファミリーで限界に挑戦!敢えてzoomでは出来なさそうなことやってみよう!子どもたちからのリクエストはかくれんぼ!「オディオディ?ドンデスタ?アバホでソファ!アンデヨー」と今では毎回欠かさずリクエストが入る人気ぶり♥お試しあれ。(K. S.・フェロウ/東京都・キラキラF)

年末年始の台湾オンライン交流。ホストはかわいい日本語も話せる8歳のりゅうしょうくん。ラインの音声で「田中おばちゃんおはよう!」と連絡をくれて癒されました。交流後お菓子が届き、「おばーちゃんが幸せになりますように」とメッセージが(笑)。可愛い孫が出来ました。(T. Y.さん・フェロウ/神奈川県・ウィズミーF)

2歳の娘とヒッポを始めて1年。家のスピーカーが8台になったら日本語を生メタするように。ある日「ママ、お腹の調子がダメみたい…」と困り顔で言ったり、「あれはちょっと…どんぐりのにおいが」と言ったり。私がスピーカーをつけ忘れていると「ママ、しょのこかけて」とか「ヒッポ、かけてないじゃん」と言われます。(H. S./東京都・フィオーリF)

4歳の息子に「I don’t know.」と言ったら「I don’t YESだろー!」と怒られました。
なるほど〜! know(NO) とYES…。ところがつい数日前に、「Do you know it?」って聞いたら「I don’t know.」って!すごいすごい、進化してる!(K. E.さん・フェロウ/東京都・南砂町たねF)

旅行先での案内看板に多言語を発見!英語、韓国語、ロシア語…。タイ語があるなんて珍しい!それをきっかけにボランティアの観光案内のおじさんと仲良くなってアイヌ語の話から多言語の話に発展。友だちに読んでもらうために作ったヒッポ紹介の手紙を渡し、多言語の楽しさを語ってきました。多言語っていいよね〜! (O. R.さん/埼玉県・カラコールF)

2歳8か月の長男。保育園の帰りに、電車が「来ないかったねー」と。他にも「遊べないかった」「見ないかった」などと言っていましたが、ある朝、「寒くなかった?」と聞くと「うん、寒くなかった」と!本人もビックリ、私も「あっ、今Getしたな!」と。するとその日の帰り道「電車来なかったねー」と言えるように!もう「来ないかった」が聞けない。ちょっと寂しいな。(Y. S.さん/神奈川県・ランジャF)

Web限定

お絵かきギャラリー

06

オープントラカレ講座

2021年春には、ヒッポファミリークラブの多言語活動40周年を記念して、オンラインでの「オープントラカレ講座」を、10講座開催しました。社会言語学、脳科学、生物学、物理学、情報学、音楽など、幅広く様々な分野で活躍されているヒッポファミリークラブの研究協力者たちが、今、最も話したい内容を選んでくださいました。10講座合計で、未就学児からシニア世代まであらゆる世代の、延べ5,400名を超える皆さんが参加しました。

各講座の作り手として司会進行などに関わるチームを、全国のヒッポのメンバーから募集。本当にたくさんの皆さんが手を挙げてくださり、例えば、竹内昌治さんの講座は、竹内さんの出身地、山梨と、長野・群馬・栃木・茨城の広域5県のメンバーで作り手チームを作りました。講師を迎えての準備会も何度も開催され、子どもも大人も一緒に、講師の著書を輪読したり、過去の講座の録画を視聴したり、ワイワイガヤガヤ、自分たちの多言語活動や体験に重ね合わせながら準備が盛り上がりました。

講師の皆さんもたくさんのことを感じてくださり、例えば、木村護郎クリストフさんは「自分の著書を小中高生も含めて多世代で輪読してくださったのは初めてのことで、研究者よりも鋭い質問も出て、学会よりもはるかに充実していた」、坂東昌子さんは「常々Science of all(皆で作る科学)を心がけているが、ヒッポファミリークラブの活動こそ皆で作る世界を実現していてすごい」と評価してくださいました。

(S. M.さん・コーディネーター)

有名な先生方ともまずは仲良くなるのがヒッポ流!「ゴロちゃん新聞」「じゅんさん新聞」を作ったり、岩田先生の似顔絵を描いたり、長江先生を「ながやん」、塚原先生を「つかぽん」とニックネームで呼んだり、先生に因んだSADAを作ったり…。先生方のことを知ると、さらに講座が楽しくなりました。

参加者からの感想

坂田明先生

最も印象に残ったのは、「人間として問われているのは人としての質だよ」というオーネットコールマン氏が坂田先生にかけられたことばでした。私自身アフリカへ行き実感したことが立ち現れたような感覚でした。卒論でカリブ海マルティニーク島の、様々な人種が混交しながら数百年経った世代の人々のアイデンティティについて考えた経緯もあり、とても身に染みました。 紆余曲折を経ながらも、ジャズミュージシャンになった坂田先生。私も卒業後、他が就職する中、少し異なる道を選んだ身として、どう生きていくか?を考えさせられました。Merci beaucoup !!(S. A.さん・大4/埼玉県・エンジェルF)

坂東昌子先生

不思議に思うことが科学の出発点で、みんなで考えるのが良くて大事なこと、最先端がヒッポだよって言われてびっくりしたし、嬉しかったです。(D. M.さん・高1/山口県・おいでませF)

古澤力先生

僕は、いつも楽しそうなことがあるとあれもこれもやりたいことがいっぱいで、お母さんにはふらふらしていると言われるけど、それが揺らぎだと思って、揺らぎが大きいほど進化が速いという話を聞いてもっと揺らぎを楽しみたいと思いました。(T. S.さん・小6/東京都・バイクバイクF)

木村護郎クリストフ先生

今まで外国人の方との触れ合いや街中で見かけた場面で自分が感じたことが、今日のお話とたくさん重なりました。始めは「え、差別って?」と意外に思いながら聞き進めましたが、なるほどよく考えてみると、英語だけできればとりあえず大丈夫と子どもに話していたり、ネイティブ英語への憧れやなんとなく英語を話す外国人より自分が低い位置にいるような気がするなど、私自身や私の周囲では差別だらけだと気付きました。以前は英語以外のことばにはほとんど興味がありませんでしたが、ヒッポに入って2か月、多言語に触れて、単にことばがわかるとか知っているとかいう意味だけではなく、大きく世界が広がったような、世界への入り口に自分が立っているような気がしています。これは、受験や海外旅行のために、英語だけを勉強していたときには感じられなかった感覚です。(J. M.さん/東京都・OttimoF)

07

東大・MIT・ヒッポ共同研究

2016年からスタートしたヒッポファミリークラブと東京大学の酒井邦嘉教授とMITのスザンヌ・フリン教授との共同研究の成果として「外国語習得の脳科学的効用」に関する研究論文がNature誌の姉妹誌にあたるイギリスの科学誌『Scientific Reports』に3月31日に掲載されました。それを受け、第7回Historia de LEX / Hippoではスザンヌ先生、酒井先生、ヒッポメンバーが一緒に研究の成果を喜び合い、未来に向かっての1歩を踏み出しました。
詳細はこちらから→ https://www.lexhippo.gr.jp/lp/press_conference/

《発表のポイント》

◆英語とスペイン語を習得した日本語母語話者(多言語群)は、英語を習得した日本人(二言語群)と比較して、新たな言語の習得時の脳活動が活発になることを発見しました。

◆三言語以上の習得経験を持つ多言語群の方が、二言語群より新たな言語の獲得に有利であることが、脳活動から初めて実証されました。

◆日本の英語教育で特にリスニングに苦手意識を持つ人が多い中、多言語の音声に触れながら自然に習得することの重要性が明らかとなりました。

(3 月31 日共同記者会見 開催のお知らせより抜粋)

《感想文より》

先生方、理事の方たちのコメントに月並みですが胸が熱くなりました。一度渡したバトンがまた回ってきたような、「えっ!!私がまさかのアンカー?」って感じです。けーたくんの「成果をより意義深いものにしてください」。このバトンは重く、でもうれしいものですね。(O. Y.さん・フェロウ/大阪府・ぱちゃままF)

先生がおっしゃる通り「論文」はその形式で、査読を通る必要があり、一般にわかりやすいものではない、と思うので、ヒッポのメンバーとそれをそれぞれの人のことばで、解いてわかっていくことが、大事なんだろうと思いました。(Y. Y.さん/東京都・OttimoF)

視覚野までも有効に活用!ドイツ語を聞いたら、よくドイツ語を歌っていたメンバーの顔が浮かぶとか、その場面の景色が浮かぶというのが繋がっているのかなぁと思いました。(I. K.さん・フェロウ/岐阜県・しゅんなF)

《酒井先生のお話から》

ヒッポの皆さんのことばを歌って活動するという発想は、本当に自然な、人間ならではの創造的な活動だと思うんです。その支えとしてスザンヌ先生がこれまで本当に長い間研究されてきたことがある。そして私どもの脳科学で証明するという形がある。異分野が一緒になるってとても大切なことで、全く新しい見方でより深い説明ができるようになります。それから言語というのは、もしくは創造的な音楽とか新しいものをつくっていくとかいうことは、脳が自然にできることです。特に子どもたちの教育を考えた時に、その大切さは本当に言うまでもないことですね。ヒッポの皆さんが、そういうことを40年に渡って引き出されてきたのは、本当に敬意を表したいと思います。それをこれからさらに発展させていこうという皆さんの熱い思いは、さらに良い活動を生み出すと本当に信じております。今後も更なる発展を期待したいと思います。(第7回Historia de LEX / Hippoより抜粋)

《スザンヌ先生のお話から》

Results prove that the LEX / Hippo is the best way to learn languages. The evidence is there and so convincing. We couldn’t be happier with it all. With the results of this project, we have made a new discovery not only for Lex / Hippo but also for the world of science. It is truly a profoundly deep set of results. There is nothing in science quite like it yet. The results set a new bar for future research. Again, I am so proud of it all and I thank you for giving me this opportunity to scientifically prove something we all believed to be true. Now we know why neurally. (第7回 Historia de LEX / Hippoより抜粋)

このようにスザンヌ先生はこの実験結果はヒッポファミリークラブのやり方が言語獲得の最善の方法であることを示していると力強いコメントをくださいました。また、ヒッポだけでなく、科学の世界にとっても新しい発見だとお話され、ヒッポの仲間としてこの研究成果を喜び誇りに思うとメッセージをくださいました。

08-1

カバ人のつぶやき

Web限定ノーカット版

2021年3月31日には、半年以上の査読を受けていた、この共同研究の結果論文がイギリスの「Scientific Reports」(Nature Portfolio Journal)という科学雑誌に掲載されることが決まり、記者会見が行われた。

この席上では、fMRIを使って行われた5年間におよぶ実験研究内容について、東京大学の酒井邦嘉教授から説明がなされた。詳しい内容については報告書が別に発行されているのでそちらを是非読んでいただきたいのだが、『多言語(話者)群』の方が『二言語(話者)群』より新しい言語に対しての脳の働きが活発化するということがこの共同研究で実際に実証・証明された。それは私たちにとっては以前より多言語の自然習得(獲得)活動の実践や、多言語国家や地域の出身の人たちとの交流を通して「当然そのようになるだろう」と考えていたことであった。  

つまりことばの習得は、より多くのことばを知れば知るほど、次のことばの習得がより早くなり、易しくなるということだ。英語一つ学ぶのにも相当の時間をかけ苦労してきた人(主に日本人)たちにとっては俄かには信じられないことかも知れない。しかし世界中の多言語の国や地域(環境)に住む人たちにとっては「それはそうだよ!あたり前じゃない!」ということなのだ。まさに「天動説」から「地動説」に変わっていった状態を想像してみて欲しい。一見すると太陽が私たちの周りを回っているかのように見える。でも実際には地球が太陽の周りを回っているのだ。

「多言語の多様な音の波に浸ろう!」と言われてもすぐには信じられないのかも知れない。しかし科学的研究実験の結果が示したものは大きいのである。MITのスザンヌ・フリン教授も、「今回の共同研究を通しての発見は仮説であった『言語獲得の累積増進モデル』にゆるぎない裏付けを与えました。この研究成果は科学の世界にとっても新しい発見であり、圧倒的な説得力を示しております。そしてLEX / Hippoの多言語活動は言語獲得において最善の方法であり、この世界において唯一無二の特別な活動だということです。今回の結果は、本当にこれ以上の嬉しいことはありません。」と、最大の賛辞と感謝のことばを述べられている。 

まだまだ科学的研究を通して発見し検証して欲しいことはたくさんある。今回の共同研究の結果もほんの「氷山の一角」ともいうべきものだ。ヒッポの多言語の活動(環境)を通して学び発見してきたことは、単に複数のことば(多言語)を習得するだけに止(とど)まらず、仲間と一緒に学び合うことの喜びや楽しさ、それを分かち合っていく時の快い興奮などなど、ヒッポの活動のみならず、広く世の中のこれからの教育や研究活動などに、示唆を与えるものが多くあると思うのである。

(鈴木堅史・言語交流研究所代表理事)

08-2

海外ヒッポ

LEX America:

During these incredibly challenging times, we have leaned into our areas of strength at LEX — flexibility, connection, and community. We pivoted from in person language club activities to online programs, with members calling our language clubs “a life-line” and “the best part of my day and week.”

It’s a brave new Zoom world, and in many cases our youngest members are leading the way, helping us with the technology, and sharing new ideas for language club activities.

Thanks to Zoom, we have welcomed new members from Chicago, Louisiana, Maryland, Northern California, Ohio, Pennsylvania, Central Illinois, and Texas, including two former interns and five LEX families who moved here from Japan. We invite you to “visit” our clubs, and to tell your U.S. and Canadian friends about us. We look forward to connecting at info@lexlrf.org.

韓国ヒッポ:

翻訳した남フェロウ

待ちに待った共同研究の結果で本部はお祭りの雰囲気にみえた。私には未知の脳科学だったが、早く翻訳したかった。韓国語でないとメンバーと話し合えないし、私のことばで研究の内容を伝えたかったので、だいちゃんの説明を10回は聞いたようだ。分かると思って話したら分からない時が続いた。読めば読むほど人間の脳はどんな状況でも一生懸命に働いているなと感じたし、多言語を使う時の脳がもっとも自然な状態だというのもわかった。それに疑わなくなったのも大きい成果ではないかと思う。

LEX México:

¡Hola todos! 우리는 Hippo México입니다

Already 1 year since we started our online Hippo activities! Molto Bene!

我们很开心! We have new Hippo members enjoying together Hippo Online.

人もモノも、いろいろなことがバラバラになってしまったこの1年ですが、それでもみんなのCorazónは一緒です!Hippo Worldwide をすごく感じています!

Hemos buscado que Hippo te acompañe durante todo este tiempo. Disfrutando juntos de una actividad de Hippo online. Siendo la música de fondo que te acompaña en casa.
¡Vamos a disfrutar todos!

08-3

インフォメーション

夏の多言語マテリアル&書籍キャンペーンが始まりました。この機会にお家のS多重P環境をもっと充実させてみませんか? 40周年記念、ヒッポの創始者・榊原陽さんのレクソロジーを収録した『榊原さんVideo Library』も登場。詳細は↓↓

https://www.lexhippo.gr.jp/members/info/monthly/

『親子で考える。留学•ホームステイ説明会』(文部科学省・国際交流基金後援)を開催します。7/18(日)、8/22(日)、23(月)の3回、オンラインで実施。お友だちも誘ってご参加ください。詳細は↓↓

https://pro.form-mailer.jp/lp/aa0ef142223962

Summersion Camp 2021が長野県の飯山と瀬戸内海の釜島で今年も開催。飯山のふるさとキャンプは7/31(土)~8/3(火)と8/4(水)~7(土)、釜島の無人島キャンプは8/17(火)~21(土)と8/21(土)~25(水)のそれぞれ2回ずつ。今年はどんな冒険が待っているかな~?